頬ずりするゴンズイたち

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今年の夏はあちこちでゴンズイに出会った。屋久島ではよくみかける魚だ。群れて玉となって海を徘徊する姿はとてもかわいらしい。そして、正面から顔を合わせるとそのかわいさはさらに倍増される。密生した正面顔はとてもほのぼのする。このゴンズイは独自のフェロモンを分泌することによって引き付けられ群となるらしい。なので、いくら僕が優しく近寄ってもいっしょに顔をすりすりしてくれることはない・・・

もし一緒に混ざって泳げたら、楽しいだろうな~

このかわいいゴンズイ、実は背びれと胸びれに毒があるので頬ずりするときは要注意です!

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大海に子を解き放つベンケイガニ

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水無月の終わり、満月の満ち潮を待つ卵を抱えた雌のベンケイガニ。

抱卵した雌は大潮の満潮時に卵を海に放つ。すぐさま孵化した子どもたちは脱皮を繰り返しながら大海を旅する。そして、成長すると川へ遡上し大地に住処をみつけ、そこで生きる。

放仔の瞬間をとらえました!ムーピーはこちら http://ocean.wazo.jp

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梅雨の海

ここ最近、入梅した屋久島は連日の雨。梅雨の海はどうなっているだろう。そんな思いで潜ってきた。

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ヤマブキハゼと共生するファインストライプトシュリンプというエビの雌雄がせっせとねぐら付近の砂や小石を巣穴から遠ざけていた。普段は白の砂地だが見ての通り山の土砂で彼らのねぐらはくすんだ茶色だ。巣穴にも土砂が流入してそうな雰囲気で、いつもは近づくと引っ込んでしまう臆病なエビだが、今日ばかりは近づいても気にすることはなく巣穴の整頓に余念がない。忙しい時にお邪魔してすいませんでした。

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イボハタゴイソギンチャクを住処にしているアカホシカニダマシの子どもを今年初見!何かを必死にハサミで掴んでいた。よくよくイソギンチャクをみると、いつもはゴミ一つない綺麗な状態が保たれているが、今日はイボとイボの溝に砂や土?がたくさん。ファインストライプトシュリンプと同様、はじめは住かであるイソギンチャクを掃除しているのかと思ったが、じっと観察していると、ハサミではさんだ土?を口にふくませている事に気づいた。山からの土に何やら美味いものが含まれているのだろうか。もしかすると、山由来のものでないかもしれないが、もし山からの恵みならこの梅雨の連日雨は海の生きものたちに恩恵をもたらしてくれていることになる。

ダイバーにとっては透明度が下がり視界が不明瞭になるため梅雨の海のイメージはあまり良くないが、梅雨ならではの生きものたちの暮らしぶりを垣間見れることは、この季節限定の楽しみだと思う。

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子を守るバイオレットボクサーシュリンプ

Img_4002_2 屋久島では珍しいバイオレットボクサーシュリンプが今、ペアーになっている。おそらくオスとメスだろうと思う。頭胸甲の深い紫が悪そうな不気味さをかもし出していてかっこいい。日本語に訳すと「破壊ボクサーのごときエビ」!素晴らしい響きです。

今日は2匹が比較的離れた場所にいたので、手前にいる個体を観察していると、居心地が悪くなってきたのか腹を見せながら岩の切れ目に後すざりいていった。そして、奥にいた個体が僕の目の前にハサミを大きく広げながら前進してきた。この個体は僕の前から移動することはなく、ずっとこっちに注意を向けているようだった。Img_4003_1_2

よくよく後すざりしていった個体を見てみると、腹には青の混じった純白の卵がぎっしりとつまっていた。

僕を敵と思ったのだろうか。メスは安全な場所に後退し、オスはメスを守るためか・・・前進してきた。この入れ替わり行動は、もしかすると我が子を守る夫婦の連携プレーだったのかもしれない。だとしたら、オスは何て勇敢なのだろう。自分の体の何万倍もある巨大ヒゲ人間に立ち向かってくるとは・・・ 僕の前でハサミをカシャカシャしているオスが何とも勇敢でたくましく映った。

そして、屋久島では希少なバイオレットボクサーシュリンプが、いったいどうやって広大な海で相手を見つけだし、どんなプロポーズをして夫婦になったのかを想像していると、彼らのたくましさはよりいっそう僕の中では巨大になっていき、いつの間にか彼らの気迫に飲み込まれているチッポケな僕がいた。

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彼らだけじゃない。屋久島では稀なパンダダルマハゼやオスの腹で卵を守るオイランヨウジたちもまた、梅雨の今、夫婦寄り添いながら卵を懸命に守っている。

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春海の田園

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春田浜という名は、この浜でめぶきあふれる海藻の柔らかな緑の美しさに心打たれた先人が名づけたのだろうか。

生活排水などが流れ、昔に比べるとかなり汚くなり魚も減ったと悪評される春田浜では今、言葉では言い表せないほどの美しい田園風景が広がっている。

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海の宝石

今、春田浜のタイドプールは海藻がいたるところに茂り、淡い緑の幻想的な海になっている。海藻からはあちこちで気泡がプチプチと浮き出している。極浅の水深20cmの世界に漂っていると、もうそれだけで幸せになってくる。

ふと、視界に緑の塊がゆらゆらと姿をあらわした。

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それは、海底からはがれてしまった海藻だった。たっぷりと気泡をため込みながらクラゲのように、僕より格段優雅に海面を漂っていた。きっと光合成で生みだされた酸素が気泡になっているのだろう。この1mmほどの泡が生きものにとって必要不可欠な酸素を大気に放出している。そして、太陽の強烈な紫外線を和らげてくれるオゾン層となって、太古の動物たちが大地へ上陸することを可能にした。

この小さな小さな宝石を身にまといながらこの千切れた海藻は、僕の前をゆらゆらと通り過ぎやがて消えていった。

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熊の如しケブカガニ

GWの疲れを残したまま、ぼーと春田浜のタイドプール(潮溜まり)に浸かると淡い緑の海藻が見事に繁茂していた。

あー海も活気づいてるなあ。

ここ1週間は森のパワーに感動する日々だったが、海はやはり野生動物の宝庫!生命力の気が森とは違う。あちこちでさまざまなギンポが活発に動き回り、サザナミヤッコ、オヤビッチャ、ミヤコキセンスズメダイといった今年誕生したであろう幼魚たちが臆病さむき出しに力いっぱい泳いでいた。

あー海はやっぱりハッピーだなあ。

タイドプールのかわいい生きものたちに完全に癒され疲れもどこへやら。気づけば200回以上もシャッターをきっていた。さあ、そろそろあがろうと陸にいたイタル(屋久島ダイビングライフ)と話しているとイタルがケブカガニを発見! 移住する前に島の南西部の栗生のタイドプールではじめて会ったのだが、その時はとても撮影できない水深(5cmぐらい・・・)だった。何とか撮ろうとねばったが、上からの写真しかとれなかった・・・

時は過ぎ、島2年目にしてチャンスがまたやってきた!

体から燃え上がるような闘争本能が溢れてくるのがわかる。

なんて貫禄のある風貌をしてるのだろう、あなたは!

屋久島の山には熊がいなくてちょっぴり残念がっていた無知な自分が恥ずかしくなってくる。我が家のすぐそばの海に熊はいるじゃないかっ!

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甲長5mの「屋久島熊」激写成功!!! 体中を毛で覆い海藻に擬態しているといわれている。動かずじっとしていれば、確かにカニとは思えない。

5mですよ5m! 妄想するのは自由ですから。笑 

実際は甲長3cmほど。

ファインダーからこちらを睨みつけるケブカガニはまさに熊のような眼光で、一瞬たじろぐほどの威厳があった。やっぱり僕は華やかでかわいい魚よりも、ケブカガニのような擬態している地味な外見の生きものたちが見せてくれる内に秘めた力強さに、たまらない興奮と元気をもらう生きもののようだ。

いや~今日は興奮した。

今、この文を書きながら美味いビールを飲んでいることは言うまでもありません。

感動をくれたケブカガニさん、ありがとう。 かんぱ~い!

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海の中の男オニカサゴ

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いったいこの体に何色の色がちりばめられているのだろう。この色彩は万民が美しいという色合いではないと思うが、僕はこの荒々しいゴツゴツとした体色の力強い美しさに見とれ、口の周りの皮弁(ヒゲ)のかっこよさにいつもうっとりとしてしまう。カメラを持ってない頃は軽く10分以上は凝視していたよなあ。オニカサゴの名の由来は鬼を思わせる怪異な容姿、英名では毛深いカサゴだそう。まさに、人間界のモテル男の形容を欲しいままにしているオニカサゴ!えっ?そんな男モテないって? いやいや!オニカサゴ最高にかっこいいです!

オニカサゴは岩やサンゴの風景に同化してぴくりとも動かず、甲殻類や小魚といった獲物がそばにやってくるのを待ちかまえているが、ひとたび獲物が射程距離に入るや否やもの凄い速さで丸呑みしてしまう。まさに風林火山。海の武田信玄なり!

屋久島では赤いオニカサゴによく出会う。赤鬼もかなりイカスなあ。

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そんな魅惑のオニカサゴは背鰭に猛毒を持っているので要注意!

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一枚上手のモヨウフグ

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-25mほどの砂地にサビウツボと仲良さげに佇んでいたモヨウフグ。僕が近寄っても両者共にまったく逃げようとしない。浅場ではせわしく逃げ回る生きものが多く感じられるが、深くなるにつれて海の生きものたちはまったりしてくるのか、警戒心がなくなるのか、はたまた人に興味をもつのか・・・なぜか動きがゆるやかで優雅に映る。

そんなエレガントなモヨウフグだが、サンゴにウニに貝に甲殻類と頑丈な鎧をもった生きものたちを強靭な歯で噛み砕いては食べている(雑食性で海綿や海藻も食べる)。そして、内臓からはもちろん皮膚からも毒を分泌させるほどの危険な魚で、日本では食用として流通することを禁止しているほど。こんなかわいい表情からは想像もできない野生の一面をもって生きている。

この可愛さに潜む野生のたくましさを表現してみたい・・・そんな写真がもし撮れれば今夜は最高の酒が飲めるぞ!

動かずまったりしていることをいいことに、さまざまな角度からパシパシと撮らせてもらった。しかし、あまりにも可愛すぎてなかなか野生の一面が浮き出てはこない・・・これは長期戦になりそうだ・・・いや、ダメだ。今日は横チンさんとイタルと船を出して潜っているから残された時間は少ししかないんだ。

「おまえみたいにこっちはタラタラとしていられねーんだよ!」

心の中で上から目線でそうつぶやきながら、シャッターをきるのはやめ、モヨウフグの見せる一瞬の野生のたくましさを探し出そうとファインダー越しに彼を凝視していた。

しばしの静寂が流れる・・・

5分ぐらいはたっただろうか。ついに沈黙はやぶられた!動きの全くなかった彼の口元がかすかに動き始めた!

来た来たー!これは何かやるぞ!すかさずカメラを包んでいるハウジングのシャッターレバーに右手の人差し指をかけた。

こいこい~準備はばっちりだぜ~

カモ~~ン!!!

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「ふあ~~~ぁ ねむっ。海はやっぱハッピーで眠くなるねえ。あんたもそうリキまんと気楽に行こうや~。あんたもいっしょに寝てくか~。」

・・・・・・。

絶句の後には、緊迫感をぶち破ったこの微笑ましい光景に思わずにんまり。

「そうきますかあモヨウフグさん」

そして、その後には後悔の念が・・・

こうなってくれ!

何かやってくれ!

あ~すっかり海の世界にお邪魔している気持ちを忘れて、自分の欲望だけに支配されてしまっていた。僕がモヨウフグだったら、見せもんじゃねえ!写真撮るんじゃねえ!なんてきっと言ってしまいそうだけど、モヨウフグはユーモアにあくびをして教えてくれた。

何も期待せずあるがままの海をもっと謙虚な気持ちで楽しんでいこう。

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魚吹雪

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この季節 魚やアミ(甲殻類)の子供たちがまるで雪のように舞い 海を淡く濁らせる

陸ではじまっている新緑の鮮やかな春とは趣を異にする静寂の青の世界でも 命のめぶきが確実にはじまっている

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